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映画と好きな本の感想など

【ネタバレあり】『舞台 さらに「さらざんまい」~愛と欲望のステージ~』@THEATRE 1010 を観てきました

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舞台さらざんまいを観てきました。さらざんまいという作品と私の距離としては、アニメを一通り見て、感動してブログ記事を頑張って書いたくらいのもので、ノベライズは一応読んでます。

 

まあそんなことは置いておいて、プレートライト(舞台版公式グッズ。歌唱シーンで光らせて応援ができる)を振ってきましたよ!以下、ネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオマブはレオマブでした。

舞台でどこまであの、カワウソによって引き出された『性』と、2人の間の『愛』を表現するのか気になっていましたが、性に関しては生々しさに圧倒されてしまい、愛に関してはノベライズから回想を持ってきたこともあり中々良かったと思います。間違ってたらすみません。

前者に関しては実際に目の前で演者さんが絡み合ってたらそりゃ圧倒されるしかないので、生の人間が演じている面が大きいんですけどね。

 

中二トリオに関しては演技に熱が入りまくっており、セリフ後ダッシュも一生懸命で、セリフも一部聞き取りにくいレベルでしたが、そこがまたアニメとは違って中学二年生の必死さみたいなのが出てるんじゃないですかね。ちなみに悠が一番声が高くて声変わりの時期のようなセクシーな声をしていてドキドキしてしまいました。

 

ケッピが……アニメの表現をそのままやっていくのは難しいのですが、着ぐるみから美しい足が生えており、シュールさでアニメとは違った面白さがありました。ケッピの中に入っていた方は姿勢も大変だろうに、本当にすごい。ケッピが最後に王子姿に戻る時の衝撃は是非ともその目で目撃していただきたい。まあこれはネタバレ記事なので書きますが、いや、着ぐるみ脱ぎ捨てるんかーーーい!!

 

サラちゃんは帝子さんなのでマジでアニメでした。歌もありました!!!サラちゃんかわいいよサラちゃん。開演前終演後アナウンスもサラちゃんでした。

春河くんはまあ難しかったろうなあと。釘宮さんの声でみるんの系譜を継いでいるキャラなので……。

誓は、仕方ないのですがもっと見たかったです!!!

 

全体としては笑いあり涙あり歌ありダンスありで、アニメの音楽も演出も存分に使っていて、見ていて面白かったです。

久慈兄弟の死別シーン、玲央と真武のシーンでは会場の反応も大きかった気がします。私も涙がぽろりと……。

 

アニメと細かく比べると、演出が舞台なりに練られていて、それでもアニメに純粋に沿ったストーリーや伝えたいものが2時間15分にぎっちり詰め込まれた、ファンサービスに満ちた舞台さらざんまいでした。

さらざんまいのうた、カワウソイヤァだけでなく、放課後カッパーやキャラクターソングも歌ってくださり、出来ることは全てやろうとしたように見えました。

 

 

この舞台を一緒に観て語り合う友だちが欲しかったですね。そうでなくとも、疎遠になってしまった、10年前や15年前、20年前の友だちと、街ですれ違ったりひょんなことで縁が蘇ったりなんかしてお茶でもしてみたかったですよ。

過去を悔やむような表現になってしまいましたが、さらざんまいという作品は過去を受けて、今を描き、そして未来へと向かっていく作品なので、今そこにあるものを見ていかなければならないんでしょうね。そして未来に辛いことがあっても前を向いて進んでいかなければいけないのでしょう。

何もかも変わってしまっても、変わらないものを互いに見つけあえる存在がある限り、人はつながっています。そういう存在は、現代では見えにくく意識しづらくはなってはいますが、誰にでも確かにあるものだと思います。今を見失わないように、欲望を手放さないようにやっていきましょう。

 

縁の外側へ行ってしまった玲央と真武について、グッズ化されたリングを眺めて、今はあれこれと考えてしまいます。玲央と真武に関しては、ふたりは傍観者/観測者の視線の外側に行ってくれたものだと思いたいです。

ふたりの関係は観測されることで生まれた関係ではなく、元から確かにあったもの……なのかもしれません。レオマブに関してはまだ自分なりに解決出来てなかったことが舞台を見た後に思い知らされています。レオマブって何なんだろう……。深淵か?

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

【ネタバレあり】『舞台 血界戦線』@天王洲 銀河劇場を見てきました

いやはや、見てきましたよ『舞台 血界戦線』!!!!

私と血界の距離感としては、まず内藤先生の関わったガングレイヴという作品が私の心の核心の部分を支えており、その内藤先生が描いたトライガントライガンマキシマムを信仰し、内藤先生のライフワークとなるかもしれないこの血界戦線を季刊のジャンプスクエアライズで追いかけて、単行本を買い、アニメ1期の素晴らしい出来に感激し、アニメ2期も鑑賞した、といった感じです。一番好きなキャラはザップ・レンフロになります。

以下、多少ネタバレしながら簡単に感想を書きます。

 

 

 

 

正直なところ、私は血ステと真正面から向き合うのが怖くて日和ったあげく見切れ席をようやく買えたという形だったのですが、見切れ席ながらも舞台全景はしっかりと見えて、客席を使った演出も上から見ることができ、ある程度舞台から距離もあり(?)、楽しく観劇することができました。いやー怖くて緊張した。私の心の均衡は保たれました。

 

この舞台は

  1. 後ろにビッグバンドが控えていること
  2. 「ハロー、ミシェーラ。これが僕の仲間です」

の2点でまとめられていました。

 

舞台奥にビッグバンド、というかサックス、ピアノ、ウッドベース、ドラムスの方がいて演奏しているんですよ。舞台で使われているBGMもビッグバンド風の曲ですが、この「音楽」は演出として多大な意味をこの舞台に与えていました。

はじめはアニメの音楽を使用できないことから発想したのかもしれませんが、「演奏されている生の音楽」がそこにあるというのは、もはや演出です。ヘルサレムズロットに流れ続ける日常を演奏される「音楽」とするならば、ライブラに所属する彼らが出会う事件は、その日常に休符を打つようなもの、そしてひといきのブレスを入れるようなものだということです。

印象的だったのがザップと寝ていた女性が魔術で大変な目に遭って観客の視線の外側へ行ったあとに、舞台からハケずにピアノの前に行って演奏し始めたあたりです。ああ素晴らしき日常。

最後のカーテンコールでも観客の拍手が手拍子に変わり演者さんたちと共にビッグバンドの演奏に手拍子を送るようになった瞬間、この舞台はショウでもあったことが分かり、観客もその瞬間はヘルサレムズロットに暮らす者たちとなったことが感じられて感動しましたね。

 

そして「仲間」。1幕でライブラ主要メンバーを紹介していく構成にして、2幕で妖眼幻視行をやったわけですが、はじめはレオくんはライブラメンバーがつながっている血の紐の外側にいたわけですが、妖眼幻視行で本当の意味で「仲間」としてミシェーラに紹介できるようになる、といった形でした。

このあたり、アニメはアニメ、漫画は漫画、舞台は舞台のような感じがしなくもないですね。うまく言えませんが……。

 

さて私の大好きなザップ・レンフロですが、コメディリリーフとしておいしすぎました。最高でした。特にネコ探しで客席と絡むアドリブ感高めのところは会場じゅう笑いに包まれました。気楽に見られて、本当に良かった……(シリアスな悲劇も好きですが)。

 

あとこれだけは書いておきたいのが、「「演者さんのキャラクターへの寄せ方がエグいほど徹底している」」ことです。レオくんもクラウスさんもまずとにかく声がアニメにかなり寄せてあって驚きました。声がすごいんですよね。アニメかっ!!!

まあ原作を漫画版(あえてこの言い方をします)としているわりにはアニメにもかなり寄せてありますし、レオナルド・ウォッチが主人公をしているし(アニメ版だ……)、アニメで増えたファンにもだいぶ目配せしていますね。そこで漫画版の良さ、舞台版の独自性を入れてきた感じでした。

 

痛感するのは、私はアニメ版のキャラクター、漫画版のキャラクターに対して解像度がかなり低かったということです。内藤先生は最大限のリスペクトを込めてB5というファンブックに漫画版とアニメ版のレオ&ザップが出会う漫画を描き下ろしています。その漫画を見ているにもかかわらず、未だに私はレオくんたちへの解像度を高めることをしていなかった…と改めて舞台版で思わされました。

キャラクターなんて多面的な存在であって当たり前で、特にユニバースが生まれることを志向している血界戦線という作品ならば、それぞれの作り手がキャラクターをどのように木や石の素材から彫りだして彫刻(キャラクター)にするかも見どころの一つになります。

それぞれの解像度を高めていって、私のかんがえたさいきょうのけっかいせんせん創作、してぇなぁ…してぇよぉ…

 

まあそんなわけですが良い観劇体験でした。

クラウスさんのセリフである、「絶望的な負い目が己を支える礎となり 痛切極まる悔恨が不退転の爪となるなら 今の君を作ったのは あの日の挫折だ」には毎回毎回ガン泣きします。こう、心の柔らかいところを刺激して前へと進む力を与えてくれるような名セリフですよ。

クラウスさんは本当に背中がカッコよかったです。それにあの小難しいセリフ群をよくもあんなにスラスラと……すごい(当たり前っちゃ当たり前ですが)。

 

 

最近心が揺り動かされることが多くて一時たりとも落ち着いていることがないのですが、私の感受性が加齢の影響でどっかにいったわけではないようで安心もしています。このまま舞台にハマったらどうしましょうか……。

PSYCHO-PASS 3 2話を見ました(感想)

表題の通りPSYCHO-PASS3の2話を見ました。以下ネタバレしながら感想を列挙していきます。今回はかなり血圧の上がるシーンも多く、興奮を抑えきれませんでした。毎週放送されるのがすごい。1巻のアニメイト限定のやつを予約しました。

 

 

 

今回でサブプライムローン詐欺?事件は外務省行動課(SAD)の助けも借りて一件落着し、最後のパートから不正選挙?事件の話が始まりました。話の面白さもあるんですが、どうしてもキャラクターたちの一挙手一投足に目が行ってしまいます。いや、決してキャラ萌だけでモノを判断しているわけでは……。

 

  • 「雨は止んだ」

こうやってアラタが狂ってしまうのを留めるケイなわけですが、ケイもケイで別の意味で闇が深そうです。アラタが「潜る」ときはいつも狼頭の人間が佇んでおり、これはお父さんと関係あるのではないかと思っています。狼男が近づいてくると音がゾワゾワしてきていつも怖い。

 

  • ヤクザのヤサ押さえ

ケイはアラタが通信手段を最短で準備してくれることを完全に信頼して突入しているわけで、実際にアラタはパルクールで軽々と(OPからアラタがパルクールの得意な前振りはありましたね!)ケーブルを持ってきてくれます。このふたり、執行官を頼みにしていないどころかふたりで世界が完結してしまっている…。それはそれで危うさがあるなあ。バディものだから諍いが起こる回もあってほしい、でもハチャメチャになりそうでヤバイ。

ヤクザたちはスラムにいましたが、廃棄区画にしては小奇麗でしたね。廃棄区画とスラムはイコールではないのかもしれません。通信状況が悪いところではありましたが。ちなみにあんな絵に描いたようなヤクザが出てきてちょっと笑ってしまいました。豚の丸焼きは、もしかしたら豚の臓器売買を手がけているのが彼らのフロント企業なのかもしれません。そうなると養豚場から横流しして臓器を取り出す用の豚を食べているのでしょう。地縁をもとに集ったヤクザたちがいるのも何となくは理解できます。神棚は何なのかわからん。神道ってまだ続いているのか?

ここで流れる3期バージョンのPSYCHO-PASSのテーマが弦楽器2つ?っぽくてかっこいいです。アラタとケイをイメージして弦楽器を2つメインに使っていたらいいなと思います。2話ではこれまでのバージョンのエレキギターPSYCHO-PASSのテーマも聞けてお得感があります。

 

  • 外務省行動課

ついに我らが狡噛慎也が登場しました。しかも宜野座と仁王立ちになって(そう見えた)(風神雷神感もある)(最高)待ち構えていました。正直もっと先で出てくると思いましたが2話で出てきてくれて嬉しいです。しばらくは出番ないかな?それでも嬉しい。須郷さんもようやく30才になって大人の魅力が……。

外務省行動課特別捜査官は特例で銃器の所持とかいろいろ認められている代わりにシビュラ判定なしに即刻処分されかねない立場にいそうですね。執行官より自由なぶん死にやすそうですが…まあ死亡フラグはまったく立っていないが…。

霜月が先輩(常守)のことを気にかけたとき、宜野座が「『あの人』のためにおれが何を成すべきかは分かってる」と言ってくれたのがこれまでの彼らの関係を感じて嬉しかったですね。雛河はこまめに連絡を取っている様子も描かれました。てか連絡取れるんだ…?!宜野座と霜月が会話するシーンでは宜野座に見惚れてしまって1回目の視聴ではその部分の記憶が曖昧になりました。宜野座…!!

ちなみに宜野座のヘアゴムが緑色なのをようやく確認しました。かわいいね。

 

  • その他細かく

→メンタル美人の男版はメンタルタフネスだった

→リックさんの数式パズルには奥さんへのメッセージだけが入っているの良い。私が捜査してたら絶対に数式パズルから取り組んだ挙げ句に空振り扱いしてた。造花の下にデータ隠してることにすぐに気がつく捜査であった。

→アラタのお父さんも狐の名刺

→ケイの兄さんとは……

→「喉に針が刺さった気分」とはずいぶんと物騒な例えだと思いましたが、あの世界に魚食文化は残っていないとすれば(海洋汚染がひどいので)魚の骨は例えから姿を消しますね。

→廿六木がヘラクレスに結構大きく反応していた

→製薬会社がスポンサーになっていそうな格闘技の興行

→小宮のマネも入国者

→周囲の色相を悪化させる小宮も狐のインスペクターだったりするのかな?

などなど。

あと1話で如月がアイムハッピーさん(梓澤)の狐の名刺を懐にしまったことに、見返してみてようやく気が付きました。

 

2話に狡噛さんが出てきたことで円盤の店舗別特典やノイタミナカフェのメニュー追加の発表もありました。そしてついに1時間の話が2話分放送されたことで今期の他アニメに実質の話数が追いついた形になりました。これから他のアニメの二倍の速さで話が進んでいくでしょう。制作の皆さんの体調が心配ですが、とても楽しみにしています。

 

【ネタバレあり】『舞台版PSYCHO-PASS Chapter1犯罪係数』@品川ステラボールを見てきました

『舞台版PSYCHO-PASS Chapter1犯罪係数』を見に行ってきました!!!!簡単に感想でも残しておきます。

ネタバレします。

 

 

品川ステラボールにて

場所は品川ステラボール。品川駅高輪口から5分とすぐ(でも迷いかけた)。ステラボールは昔Aimerのライブで行ったきりで観劇では初めてだったわけですが、わりとステージが狭くて客席が平らで横長な感じ?でした。私はセンターブロックでしかも一番下の床の部分から一段上がってすぐの列だったのでかなりいい席で見ることができました。これ、床が一段上がっていなかったら1階後方はステージが見づらいだろうな……と感じたのでステラボールはあまり舞台公演には向いていないかもしれません。オールスタンディングのライブとかならステラボールは普通かもしれない(Aimerのライブは着席状態で鑑賞するライブでしたがその頃はステージからの光でAimerの姿を隠していたスタイルだったので気にならなかった)。

そのステラボールのステージの狭さを補うかのように、高さのあるセットとアスレチックのように大回転する舞台中央の階段付きセットが演出に存分に生かされていました。ただ、下手側の高すぎるセットは見上げるのも大変だったけど演者さんがその上で走るとグラグラ揺れて少し不安になりました。事故だけは起きませんように……。

 

泣いてばかりになってしまった劇の内容

肝心の劇の内容ですが、これがとっても良かった。パンフに虚淵さんが書いていたように、1期の頃の面子が揃い踏みして懐かしさを感じました。最近またPSYCHO-PASS1期を見ているのにもかかわらず、古くからの知り合いにまた会ったかのような感覚さえ覚えます。

基本的にアニメの通りに進んでいくので、アニメと違うところがよく目立つ作りになっているのですが、アレンジのなかで特に良かったのは佐々山の出番が多かったこと、というか『PSYCHO-PASS0(サイコパスゼロ)名前のない怪物』の内容が1期の前半の内容とシンクロして描かれていたところです。ファンとしては涙を禁じえませんでした……。いやあ良かった。まだゼロを読んだことのない方は読むといいですし、ドラマCDも出ているのでオススメします。わたしも再履修しよ……。

 

アンサンブルの人たちが歌に合わせて踊り、決める場面で演者さんたちがバチッと決めてカッコよかったのですが、桜霜学園校歌とおぼしき悲しげな歌のパフォーマンスや重潜在犯の画商の彼をメインにしたパフォーマンスが特に好きでした。

演出面でも、佐々山の死体(的な存在感のある装置)が舞台上に広がる演出も残酷で良かったです。直前のマルドウのクリームパンシーンとの感情高低差よ……。

 

 

各演者さんへの思い

狡噛さん(久保田悠来さん):声が低くて舞台役者らしさを感じました。顔も体つきもカッコいいです。

宜野座さん(真田佑馬さん):佇まいがマジで宜野座さん(後述)。元ジャニとのことで、応援したくなるじゃないか……

朱ちゃん(河内美里さん):初々しさがすごく1期の朱ちゃんだった。こーがみさんとの身長差がいい。

縢くん(橋本祥平さん):動いている姿、朱ちゃんに人生を選ぶ意味を聞く姿を見て泣いてしまう…。懸垂ブラブラかわいい

志恩さん(愛加あゆさん):ブラジャーを賭けてもいいセリフが聞けて嬉しい。やよしおフォーエバー…

六合塚さん(立道梨緒奈さん):アニメからそのまま出てきたのかと思うくらい再現度が高かった。すき……

チェ・グソン(磯野大さん):みずみずしいグソン。存在感がすごい。

泉宮寺さん(大塚尚悟さん):優しげな雰囲気のおかげで泉宮寺さんの本当の意味でのサイコパス感が出ていました

王陵璃華子さま(藤本結衣さん):動く百合!!!動く百合!!!と興奮を抑えるのが大変でした。彼女の凛とした存在感のおかげですごく「この話は舞台向きだな」と思わせてくれました。

佐々山(細貝圭さん):こーがみさんの言葉やサイコパスゼロから受けたイメージ通りの佐々山像でとても心を動かされました。動く佐々山がアニメよりも多く見られる……!!

征陸さん(今村ねずみさん):コメディリリーフとしての征陸さんのシーンもあり、とても新鮮でこれもまた良い…となりました。

槙島(前山剛久さん):その神々しい佇まいに視線を送ることすら躊躇われるような姿でした。舞台上でふと気づけばそこにいる…と気がつく感覚は何物にも代えがたい経験でした。

アンサンブルキャストのみなさん:ダンスのキレがすごい!!開演前に廃棄区画にいる様子で雰囲気に飲み込まれました。

桜霜学園編がメインだったのでもちろん霜月も出てきたのですが、本物の女子高生みたいで、ああこの年で背負ってしまったんだなあと改めて胸に重いものを感じました。

 

そして、宜野座さんの佇まいについて。これは声を大にして言いたい。舞台上の演者さんとは実際にどうかはともかくとして「目が合う」感覚があるというか、こちらからの視線をどのように処しているかが目つきに表れているような感じがするのですが、真田佑馬さんのその目つきの演技が、観客としてのわたし(たち)の視線に対する処し方が、マーーーージでわたしの思う1期の宜野座監視官でした。これは生で見ると分かるような空気感というようなものな気がします。とにかく宜野座さんがそこにいた。宜野座さんがそこに!!!!!うおおおおおお!!!!!

 

槙島さんとも宜野座とは違う意味で「目が合う」感覚が無かったのがとても良かったです。槙島先生はどこか遠くを見ている……。

 

空気感についてももうひとつ。アニメや映像にはない「匂い」「風(空調か?)」「アクション後のリアルな息切れ」が、キャラがそこにいると思わせてくれて、これは2.5次元舞台のいいところだなと思いました。演出用のタバコを使って煙も立っていたのですが、香水のような良い香りでした。ちなみに手元をよく見るとスピネルの箱の色が見えました。ちゃんとしてくれてます。

 

おわりに

簡単な感想のつもりがダラダラと長くなってしまいました。PSYCHO-PASSが好きだなあという気持ちと2.5次元舞台の良さで胸が一杯になった舞台版PSYCHO-PASSでした。願わくばChapter2、3と続いてほしいですね。まだチケットも残っているようですしできればまた見たいです。

アニメバビロン1〜3話とPSYCHO-PASS|3の1話おもしろかった感想

最近Twitterばかりになってしまい、思考が140字に固定されてしまいそうなのと、あと単純に文字をドカッと書いてみたくなったのでブログを書いてみたい。

アニメが完結してから感想を書くことが多いが、今期はPSYCHO-PASS|3とバビロンがあるので放送開始間もない時期に記事をしたためておきたい。

以下の文章にはアニメバビロン1〜3話とPSYCHO-PASS|3の1話のネタバレが含まれます。

 

 

 

 

バビロン1〜3話の感想

曲世愛(まがせあい)!!!!女ははじめから女!!!!と思わず3話のラストで叫んでしまった。男は「女ではない存在」として規定されると直感的に思わせられた。曲世愛は性と死を具現化した存在だと思う。やっぱり女ははじめから女であって、男は「女ではない存在」なんですよ。この直感がどこまで作品感覚にそぐうものであるかは今後を見てみないと分からない、原作未読なので。

 

私は以前このブログでもぶつけた通り、『正解するカド』で不正解を突きつけられた人間なのでバビロン放送前は本当に見るか見ないか迷っていたのだが、今のところ見てよかったと思っている。むしろバビロンを見ることによってなぜ『正解するカド』があのような結末を迎えたのか、何となく分かるようにすらなってきた気がする。

 

というのも、野崎まど氏の作品は最後に少女が物語を劇的にひっくり返すとは風の噂で聞いたことがあるが、バビロンでは現状おそらく「最悪の女」である曲世愛によってもたらされる性と死に対抗するならば、その役割を担うのは「エリートによる絶対的正義である異性愛生殖」かもしれないと思う。

 

カドに引っ張られすぎだとは思うが、まど氏はエリート絶対生殖の「現実世界での」正しさと強さを分かって書いているのかもしれないと思うと、カドがああなったのも分かる気がする。そう思うと、バビロンでも曲世愛はその正しさと強さにあえなく敗北していくのかもしれない。負けるな曲世愛!!!負けるな最悪の女!!!

 

まあ現実世界では揺るがしようのない正しさと強さはあるわけで、そこに皮肉や冷笑をこめて歪みの強烈な描き方をするのがもしかするとまど氏の持ち味だったりするのかな、とカドで受けた傷までが癒やされていきそうな勢いだ。嘘、まど氏の作品は一編も読んだことないからなーーーんもしらん、ラストまでこの認識が続くかわからん。

 

しかし曲世愛の魅力とCVゆきのさつきさんの素晴らしい演技、そして個人的な好みだが某アニメの某キャラに見た目がそっくりでなおかつ櫻井孝宏氏の声帯を持つ九字院偲くんから目が離せないし、当然だがストーリー、演出にはかなり期待している。2話は曲世愛を追って外へ駆け出す正崎のカットは作画が良かったし演出も全体的に良かった。たぶん最終回まで見る。

 

この熱量がこのままプラスのまま最終回を迎えるのか、マイナスの熱量となって涙目になるかだが、一番悲しいのは、称賛も絶望もない、プラマイゼロのどうでもいい作品になることかもしれない……。

 

PSYCHO-PASS|3の1話(Amazon Prime先行)

私はサイコパスの1期の最後の方(「血の褒賞」)でガッとハマってそのままずっとサイコパスのファンを続けているのだが、またテレビシリーズが始まって嬉しい。しかも1時間枠。2期は尺が足りなくてもったいないと思っていたので今回はたっぷりとしっかりと話を追いかけられそうで安心している。

 

1話を見たところ、サブタイトルのライプラスは神話の中の「狐を追いかけ続けることになった挙げ句石に変えられた猟犬」、召命は「神の命によって任に就くこと」のような感じだとウィキペディアに書いてあったので、要するにシビュラという神に(実際には神託の巫女…のような)差し向けられて刑事課にケイとアラタが就任します、という意味なんだろうなだとか思った。

 

猟犬と狐の追いかけっこを天上から眺める神々、厚生省のシビュラシステムと金融関係のお偉方のビフロストによるラウンドロビンの構造は1時間枠でようやく染み込んでくる感じかもしれない。ラウンドロビンは企業や組織を信用スコアで取引して遊ぶゲームなのかもしれないなあと。株式市場もシビュラの犯罪係数と同じで数字で人間の行動や価値を決める仕組みだもんなあと。

 

まあフジテレビで放送される前にこんなネタバレ書いてもしょうがないんだが、まあ私の感想は話半分で聞いてほしい。1話で意外だったのは、監視官同士仲のいい様子って新鮮だな、と……。

もちろんめちゃくちゃ楽しんだ1話だったので全8話、全力で楽しみたい。店舗別円盤特典の絵柄が出たら迅速に対象を予約するつもりです……。

 

おわりに

やはり文章でまとめると満足感が高い。自己満足。しかし各話感想を書けるほど勤勉でもないのでまた3ヶ月開くかもしれない。おわり。

たとえ絶望に満ちた未来でも、欲望を手放さない―――さらざんまい を観た

最終話まで一度観終わって、私が受け取ったものをとりとめもなく書いておこうと思う。

 

幾原監督の作品には熱心なファンの方々ほどには読み解いていないのだが、そんな私にでも幾原監督がこれまでの自作品のオマージュを散りばめて、というか、さらざんまいのキャラクターたちに再演させていたのが分かった。それもこれも、幾原監督は「これまで」を描いた上で「これから」を描こうということを視聴者に見せようとしていたのだろう。その「これまで」の部分はもっと強い解釈があると思い、ここでは述べるのに気が引けるので書かない(書けない)が、「これから」を描こうとしたのは、ラストのメッセージ、「そして、未来へ―――」とカッパの川流れしていくシーンからはっきりと分かる。さらざんまいは未来へと進んでいく物語だった。

未来には何が起こるか分からない。

大好きなサッカーが出来なくなってしまうこともあれば、長年自分を支えてくれた恋愛感情に終止符を打たなければいけないこともある。何も与えてくれない現実に、犯罪で反逆することしか出来なくなってしまうかもしれない。

もちろんそのようにならない可能性はある。でも絶望に満ちた未来が待っていたとしても、ひとは生きていける。いや、生きていかなければならない。希望も何もない現実でも、「それがどうした」なんですよ。

「それがどうした」は久慈悠が川へ飛び込む際の言葉だ。大切にしていたサッカーボールを投げ捨ててもつながりは途切れなかったかつての出来事と相似を見せて、そのシーンはつながりの再構築を表している(さらに、少年刑務所を出所して自らの命を「大切なもの」だと分かっていることも表している、と私は思いたい)。

未来には絶望が待っているかもしれないが、希望もある。久慈悠には帰ってくる居場所がいまそこにある。

(ちなみにここのメッセージでは私の大好きなアニメ「ノエイン」を思い出しました。こちらも是非)

 

さらざんまいは友情、愛、欲望の物語でもある。

ここで私が友情と愛と欲望を並列させてはっきり言い切れないのは、私が男性同士の友情に(ある一面において)不変のものを信じて愛情と読み替え(解釈し/誤読し)がちな人間だからだ。これは私の欲望でもある。偉そうに書いてしまい申し訳ない。それに、愛と欲望は判定する側によって変わる上に不可分のものだと思うので、分けては書けなかった。

私はどれだけ月日が経って見た目も思想も変わろうとも、出会って視線を交わした瞬間にあの頃の友情が蘇るという出来事が大好きだ。

作中で新星玲央と阿久津真武の関係で描かれたように、人は変わっていくものであり、その間にある関係性も時間の経過とともに揺らいでいってしまうものである。人生は続いていくのだから、何もかも変わらずにはいられない。それでも変わらないものはある。そう信じている。そう信じないと、私は何を信じて生きていけばいいのかわからない。

真武は死んでしまったことにより変わらざるを得なくなり、カワウソ概念により玲央も変わってしまったが、それでも変わらないものを玲央に伝えることができた。そのやり方は、十皿目で示されたように、玲央に話をさせるチャンスを与えなかったものだったので、判定が欲望ではあったものの、そこには確かに愛があった。

変わらないものを確かめ合う機会は、必死に、命をかけて手繰り寄せて、他のものをすべて犠牲にしてでも、切実に祈ることでやってくるのかもしれない。そういったことをアニメで観られて私は幸せだった。

欲望か、愛かは誰かが決めることだと思うし、欲望は時間の経過のなかにあっても変化しないものだとも思う。時間の経過の中にあっても変化しないものこそ、生きるために必要な命であり、私も私のなかの変わらない欲望を信じて生きていきたい。

 

変わらないものがあることを理解した大人である玲央と真武が、最終皿で流れ星となって一稀たちの行く末の暗闇を照らしてくれたのには涙した。このあたりはこの2つのテーマを結びつける描写のひとつだろう。

 

レオマブは十皿目で視聴者の視線の外側の世界へ行き、ツイートも消えてしまった。十皿目と十一皿目の間の一週間はそのことに対して、いつか枯れて後に残らない生花を二人に手向けて二人のことを忘れてしまうほうが良いのかと思った。キャラクターグッズを購入して彼らの形をこの世に残すことが冒涜であるかのような気すらしたので、公式にお金を落としたい気持ちと相反して余計に悩んだ。杞憂だった……みたいだが……(すいません、咀嚼できていない)

 

最終皿まで観た上でのとりとめもない感想はこのくらいにしたい。春河のこれからや、非実在性のカッパであるケッピが絶望と向き合って本物の王子様になったこと、一稀や燕太のことも考えたかったがこのあたりはもう少ししてから書くかもしれないし書かないかもしれない。

 

ありがとうさらざんまい。

 

今堀恒雄Another Works 2 Focus on "GUNGRAVE"を聴きにいきました

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@Gemini Theater 二子玉川

 

行ってきました、今堀さんのライブ!

ティポグラフィカウンベルティポは存じ上げておりましたが、難解な捻くれたジャズに付いていけるかな……と若干不安にはなりつつも、今回はタイアップ向けの比較的フレンドリーなテーマだろうと思い、脳内にガングレのサントラをガンガン流しつつニコタマへ向かいました。

前の似たような催しには甲府の桜座で行われたType1というライブがあったのですが、そちらはロック多めだったようで、今回のガングレフォーカスでは弦楽カルテットを加えたしっとりしたライブです。もちろんいつものメンバーでいらっしゃる外山さんも、コントラバスの方もいらっしゃいます。

 

ドキドキしながら開演を待ち、始まる演奏……。

今堀さんによるアコギソロ……これはアドリブ?……ああっ、これは次回予告で流れる「父の肖像」!!!

うおおおお!

静謐な空間にいい音がビンビン鳴り響きます。

演奏が終わると今堀さんによる和やかなMC。この和やかさは、こういうハコでのライブに慣れていないオタクにも優しい。

今堀さんによると、曲のタイトルはビクターの人かどなたかが付けたようです。そして本田さん(ガングレイヴの音響監督)による詩的なオーダーの内容。この曲はビッグダディの曲として作られたようですね。次回予告は、ガングレイヴサウンド面でのテーマであるラテンや暑い地方のマフィア(?)に寄せて、ヒップホップなものになる予定だったらしいのですが、紆余曲折あってこのようになったらしいです。

 

ここからライブはどんどんと熱を上げ、緩急を付けつつも、熱いアドリブソロ、しなやかなアレンジ、そしてアニメーションの感動を思い起こさせる盛り上がりを見せます。

音を摂取しました。とんでもなくいい音を。

セットリストに沿ってレポをしていきたいのはやまやまですが、文字で伝えるのもなかなか限界があると思います。とにかくすごかった。

セットリストはガングレイヴに関しては、rightheadとleftheadから取られていて、ゲーム版のサントラ、VRのサントラからは取られていませんでした。その他には邦画の「脳男」の曲、舞台のドラクルの曲、劇場版トライガンのsandsteamという曲が入っていました。どの曲も良すぎる……!

 

ラストのI'm home、アンコールの砂の星(トライガンサントラ2より)+happy endingには涙腺が崩壊し、感動に全身を打たれました。けたたましい曲、荒々しい曲、情熱的な曲、陰鬱な曲を経ての、透き通った和解の曲と雨粒の終着点に、ガングレアニメの追体験をするとともに、音楽ライブの良さを改めて感じました。

 

ファミリィ(OP曲)はType1のほうで演奏されたのことで、きっとH.T(トライガンOP)やTumbling Dice(はじめの一歩OP)もそちらで演奏されていたんだろうと思います。今後、このAnother Worksシリーズは続くらしいのでまた次が実現されるのならば!ぜひ!聴きに行きたいと思います!

 

最後に余談ですが、アニメにまつわる飲み物としてバーボンがあるのですが、やはり受付のところでの1ドリンクオーダーではバーボンが大人気で私の番になる頃には品切れでした。そのためジャックダニエルにしました(笑)

 

最後までご覧になって下さりありがとうございました。ガングレイヴ、また見返そうと思います。ブルーレイボックス出ないかな〜。配信ではdアニメストア他にあると思うので是非どうぞ。